夜寝ているはずなのに、日中も眠くて仕方がない、なんて症状ありませんか。
疲れているせいかも・・・で片づけていませんか?
その症状、もしかしたら睡眠障害かもしれません。
睡眠障害と言っても、症状にはいくつか種類があります。
睡眠障害を引き起こす原因として、身体的疾患や精神疾患が関係している
場合もあるんです。
睡眠障害をただ眠いだけ、と放置していては危険です。
そこで、睡眠障害について紹介する他に、睡眠障害の中でも眠くて眠くて
仕方がないという「過眠症」についてまとめました。
過眠症かわかるセルフチェック項目も紹介するので、必見です。
これって睡眠障害かも?過眠症かわかるセルフチェック
はじめに、睡眠障害について簡単に紹介します。
睡眠障害は、1)不眠症、2)睡眠関連呼吸障害、3)過眠症、4)概日リズム睡眠障害、5)睡眠時随伴症、6)睡眠関連運動障害、に分類されています。
睡眠障害とは、睡眠に何かしらの異常がある状態です。
うまく眠ることができない不眠症は、よく耳にする睡眠障害ですよね。
他にも、日中にも強い眠気を感じる過眠症、昼夜の体内リズムが狂うことから
生活リズムが崩れる概日リズム睡眠障害など、睡眠障害にはいくつか種類が
あります。
また、アトピー性皮膚炎やうつ病など、身体的疾患や精神疾患に関連して
睡眠障害をきたすこともあります。
何かしらの睡眠障害を抱える方は、日本において約5人に1人いるとの
報告もあります。
「睡眠障害」と一言に表してもさまざまなものがあるため、どういった
タイプの睡眠障害であるのかを確認することは治療方法を選択するうえで重要です。
睡眠障害のタイプにより原因もさまざまです。
不眠症の発症要因としては、精神的なストレスや疲れ、時差、就寝環境の
照度・騒音の程度(明るすぎる、うるさすぎるなど)、アルコールやカフェイン
など様々にあります。
過眠症は、睡眠の質が何かしらの状況で障害されており、寝てはいるものの十分な
休息が取れていないことで発症することがあります。
また、過眠症のひとつのタイプである「ナルコレプシー」と呼ばれる病気は、脳の機能的障害を原因として生じることが想定されています。
他にも、睡眠障害は体内時計が乱れることから、昼夜の生活リズムが逆転して
しまったり、身体的疾患や精神疾患が原因となって睡眠障害を引き起こしている
こともあるんです。
アトピー性皮膚炎やうっ血性心不全、喘息、糖尿病、うつ病、統合失調症など、その原因は実に多岐に渡ります。
では、睡眠障害の中の、過眠症について紹介したいと思います。
過眠症とは、夜更かしなどで夜間の睡眠時間が不足しているわけではないのに、
夜眠っているにもかかわらず、日中に耐え難い眠気と居眠りが繰り返し生じる
症状です。
居眠りは居眠りは、1時間以上続き、目覚め後はすっきりと覚醒できずに
眠気が持続し、リフレッシュ感が乏しい場合が多いです。
世界的には1000人から2000人に1人にみられる病気で、10歳代で発症することが
多い疾患と言われています。
また、女性よりも男性で頻度が高いとされています。
強い眠気を起こす時期(傾眠期)が3日から3週間持続し、自然に回復して
まったく症状がなくなるが、その後、不定の間隔で傾眠期が繰り返し出現する
ことがあります。
過眠の症状がみられる主な病気は、「ナルコレプシー」「睡眠時無呼吸症候群」
「特発性過眠症」「反復性過眠症」などがあります。
なかでもナルコレプシーや睡眠時無呼吸症候群は患者数が多く、本人も気づいて
いない場合もあるんです。
過眠症の原因として考えられるのが、脳内の異常や何らかの原因で夜間の睡眠障害があるためとされています。
原因があいまいなのは、過眠症の原因がまだはっきりと究明されていないからなんです。
しかし、なんらかしらの異常があるのは確かです。日常生活にも支障をきたします。日中の耐え難い眠気や居眠りが1ヵ月以上続くような場合は、過眠症の可能性が
考えられます。
できるだけ早期に専門の医療機関を受診することをお勧めします。
上記で、過眠症を自覚していない人も多いと紹介しました。
早期発見、早期治療のためにも、セルフチェックで確認しましょう。
≪セルフチェック : 過眠症≫
設問には、「ない」「ときどきある」「ある」で答えてください。
1.座って読書をしているときに眠くなることがある
2.テレビを見ているときに眠くなることがある
3.人が大勢いる場所(会議の席や劇場/映画館など)や、じっと座っている
ときに眠くなることがある
4.他人が運転する車に、休憩なしで1時間ほど乗っている時に眠くなることがある
5.午後、横になって休憩しているときに眠くなることがある
6.座って人と話をしているときに眠くなることがある
7.昼食後(飲酒していない場合)、静かに座っているときに眠くなることがある
8.自分で車を運転中に、交通渋滞などで2,3分停車しているときに眠くなる
ことがある
以上のセルフチェックで、5つ以上「ある」と感じる方は過眠症の疑いがあります。
他にも気になる症状がある場合も、早めに専門外来を受診することをおすすめします。
睡眠障害と発達障害の意外な関係

睡眠障害については、現在も様々な研究の途中です。
その中でも、睡眠障害と発達障害は関係しているという報告もされているんです。
発達障害がある子供たちの睡眠問題は、一般児童に比べて、その頻度が50%以上と
約2倍と多いという研究結果があります。
発達障害で機能異常が疑われている神経ネットワークの一部は、睡眠―覚醒の
調整にも関わっています。
こうしたことから、睡眠障害を引き起こすことが多いとも考えられています。
また、抑うつや不安などの心理的ストレス、社会的コミュニケーションの不足などが、睡眠の質や量の低下、体内時計の調節不全などをもたらしているのかもしれない
とも言われています。
このように、なぜ発達障害のある児童では睡眠問題が多いのか、その理由は
まだはっきりと明らかにはなっていません。
他にも、発達障害における睡眠障害は、従来の過眠症や睡眠不足とは少し違うという
意見もあります。
通常の過眠症では眠気は持続的で、時刻やシチュエーションを問わず出現するため、日中を通じて眠気に悩まされます。
しかし、発達障害者の場合、授業中やデスクワークなど「退屈な」場面で
眠気が急速に出現することが多いんです。
一方で、関心のあることには熱中し、眠気を忘れてしまうこともあります。
同じ授業でも好きな教科では眠気を感じない。友人と会話を楽しんでいる最中でも
眠ってしまう過眠症とは全く異なりますよね。
このように、発達障害と睡眠障害については、まだまだ研究が必要ですが、両者が
密接な関係にあるのは確かと言えるでしょう。
まとめ

いかがでしたでしょうか。
最近自分ではコントロールできないような睡魔に襲われる。そんな経験をした
方は、ぜひセルフチェックをしてみてください。
睡眠障害は、身体的にも精神的にも影響を及ぼす病気です。
あれ?と感じたら、早めに専門外来を受診しましょう。