甲状腺がんの原因は?病院に行くのはどんな症状があるとき?

病気

雑誌やテレビで紹介されることの多い甲状腺疾患。

耳にしたことはあるけど、詳しくは分らないという方も多いのではないでしょうか?

甲状腺は体の健康を守る上で欠かせない臓器です。

首の喉仏の下にあり、通常は確認できませんが、腫れやしこりがあると

手で触ってわかるようになります。

甲状腺が腫れると何の病気が考えられるのか、どんな症状があるのかなどを

紹介したいと思います。

また、甲状腺の検査内容についてもまとめたので、参考にしてみてください。


甲状腺の腫れは何かの症状かも?こんなときは病院へ

甲状腺の病気の種類は大きく3つに分けられます。

・低下症

・亢進症

・腫瘍

それぞれを見ていきましょう。

低下症

甲状腺から分泌されるホルモンが不足し、機能が低下している状態です。

エネルギー不足になり、眠気、物忘れ、抑うつ、無気力感、肌の乾燥、抜け毛、

むくみなどの症状がみられます。

甲状腺の病気で、低下症に当たるのが、『橋本病』です。

橋本病は、自己免疫の異常により甲状腺に慢性的な炎症が起こる疾患です。

甲状腺組織が破壊されるため、甲状腺ホルモンが不足した状態が続きます。

甲状腺疾患の中でも特に女性に多く、その発生頻度は男性の20倍以上です。

年齢的には40~50代に多くみられます。

エネルギーが足りず心身ともに元気が出ないのが特徴で、だるさや物忘れ

といった症状から、うつ病や認知症などと間違われることもあるんです。

ただし、ほとんどの人は症状があまり出てこない「潜在型」といわれます。

甲状腺機能の低下によるむくみや冷え、代謝の悪化、月経異常といった症状が

顕著に現れる人は少なく、多くの場合、首の腫れや血液検査などで発覚する

ことが多いといわれています。

亢進症こうしんしょう

甲状腺から甲状腺ホルモンが過剰に分泌され、全身の代謝が高まった状態のことです。動悸、息切れ、多汗、微熱、手指のふるえ、不安感、集中力の低下などの症状が

みられます。

主な病名の1つは、バセドウ病です。

甲状腺を刺激する抗体が甲状腺ホルモンを過剰に分泌させる病気です。

30~40代に発症する人が多く、ほかの甲状腺疾患と比較すると男性患者の

比率が高いのが特徴です。

とはいえ男女比では1:4と、全体としては女性に多いことがわかります。
ホルモンの過剰分泌により、新陳代謝が必要以上に活発になり、疲労状態が続くのが特徴です。

症状としては首の腫れや眼球の突出のほか、動悸や息切れ、発汗、集中力の低下などがみられます。

これらは、更年期障害や糖尿病、心臓病などと勘違いされる可能性もあるので

注意が必要です。

首の腫れの程度と症状の重さは必ずしも比例しませんが、腫れが大きいと治療が長引くことがあります。

エネルギーを過剰に消費するため、体重が減少する傾向にありますが、若い女性では逆にカロリーの過剰摂取で太ってしまう人も少なくありません。

また、70%以上の人に手足の震えがみられ、男性の場合は、朝起きたときに

全身が金縛りのように動かなくなる周期性四肢まひが起こることもあります。

2つめの病名は、無痛性甲状腺炎です。

多くのケースが橋本病の一過性変化で、痛みはなく自然に改善する傾向があります。

甲状腺の炎症部分の細胞が破壊され、甲状腺ホルモンが血液中に漏れ出すことで、

バセドウ病と似た症状が現れます。

橋本病の患者さんや出産後間もない女性に多く発症し、その名のとおり痛みは

ありません。

一時的なホルモンの増加後、甲状腺機能低下症になることがありますが、

4ヵ月以内には自然に改善に向かいます。

バセドウ病に似た症状が強く出る場合は、ホルモン作用を抑える薬を使います。

なお、半年から10年の間隔で再発する傾向にあります。

3つめの病名は、甲状腺機能性結節(プランマー病)です。

甲状腺にできたしこりが大きくなり、甲状腺ホルモンを過剰に分泌する

ことで、機能亢進症を引き起こす病気です。

症状はバセドウ病よりも軽度な場合が多いです。

手術などでしこりを取り除き甲状腺の機能を正常にする必要があります。

4つめの病名が、亜急性甲状腺炎です。

甲状腺の炎症により、痛みと腫れを伴う疾患です。

一過性の甲状腺機能亢進が起こり、動悸や息切れ、発汗、倦怠感など、

バセドウ病と同様の症状が現れます。

発熱や鼻・喉の炎症に続いて起こるためウイルスが原因ではないかと思われ

がちですが、他人への感染はありません。

慢性化や再発の可能性は低く、30~40代の女性に多いのが特徴です。

基本的に経過を観察し、痛みが強い場合には鎮痛解熱消炎剤などを使用して

様子を見ます。

腫瘍

甲状腺の一部にしこりができた状態(結節性甲状腺腫)のこと。

良性と悪性があり、良性の場合は積極的な治療の必要はありませんが、

悪性の場合は大半が甲状腺がんで、手術が必要です。

主な病名は、腫瘍性疾患(腺腫、腺腫様甲状腺腫、がん、悪性リンパ腫)です。

甲状腺の腫瘍には、全体が腫れる「びまん性甲状腺腫」と、部分的にしこりの

できる「結節性甲状腺腫」があり、結節性甲状腺腫はさらに、良性の甲状腺腺腫と、悪性の甲状腺がんや悪性リンパ腫に分けられます。

悪性腫瘍の中で最も多いのは乳頭がんで、進行が遅くきちんと治療をすれば

治りやすいとされています。

悪性リンパ腫は血液がんの一種で、白血球の一種であるリンパ球ががん化したものです。

リンパ節やリンパ管、脾臓、胸腺、扁桃などリンパ系の組織で発生することがあります。

リンパ腫の種類を大きく分けると、腫瘍内に大型腫瘍細胞の見られる「ホジキンリンパ腫」と、それが見られない「非ホジキンリンパ腫」の2種類があります。

ホジキンリンパ腫は遺伝が関与しているといわれ、20~30代の若い患者が多いです。一方、悪性度の高い非ホジキンリンパ腫は高齢の患者が多く、ウイルス感染などが原因だといわれています。

初期段階では、首や脇の下、足の付け根などリンパ節の多い部分で痛みのない

しこりが現れることが特徴です。

まれに痛みがありますが、ほとんどの場合痛みを伴わないのが特徴です。

症状が進行すると発熱や全身の倦怠感、体重減少、皮膚の赤み、腫れ、かゆみ、

嘔吐などさまざまな症状が出てきます。

また、しこりが気道や血管、脊髄などを圧迫すると、気道閉塞や血流障害、

まひなどを引き起こすこともあります。

悪性リンパ腫がほかの臓器や器官へ広がっていくと、それぞれの転移先特有の

症状が出現していきます。

今まで甲状腺の病気や症状を紹介しましたが、やはり素人では判断が難しい

です。

甲状腺が腫れだしたり、少しでも当てはまる症状がある時は、早めに病院を

受診しましょう。

甲状腺検査の一つ「ホルモン検査」でわかること

甲状腺の検査では、ホルモン検査をすることが多いです。

ホルモン検査でどのような事が分るか、まとめてみました。

甲状腺の機能を調べる検査には、

①甲状腺ホルモンの検査

②甲状腺に作用する下垂体ホルモンの検査

この2種類があります。

甲状腺ホルモンには、トリヨードサイロニン(T3)とサイロキシン(T4)という

二種類があります。

血液中に遊離したこの二つのフリーT3(FT3)とフリーT4(FT4)を測定すれば、

甲状腺機能が正常か、亢進しているか、低下しているかがわかります。

一方、甲状腺に作用する下垂体ホルモンにはTSHがあり、甲状腺細胞表面に

存在するTSH受容体と結合しT4を作る「ホルモンのリレー」が行われています。

甲状腺からのT4の分泌量が多くなる甲状腺機能亢進症は、新陳代謝を増大させます。逆にT4の分泌量が少なくなる甲状腺機能低下症は、代謝が減少する症状がでます。

ホルモン検査の項目で分ることを以下でまとめました。

≪遊離サイロキシン FT4≫

甲状腺ホルモンのひとつです。

一般的にこの値が高ければ甲状腺機能亢進症、低ければ甲状腺機能低下症

とされます。

≪遊離トリヨードサイロニン FT3≫

甲状腺ホルモンのひとつです。

一般的にこの値が高ければ甲状腺機能亢進症、低ければ甲状腺機能低下症です。

≪甲状腺刺激ホルモン TSH≫

脳下垂体から分泌される甲状腺を刺激するホルモンです。

血液中の甲状腺ホルモンが高値になると分泌が低下し、血液中の甲状腺ホルモンが

低値になると分泌が亢進します。(体調などで多少変動することがあります。)

≪TSHレセプター抗体 TRAb≫

バセドウ病の原因物質で病気の勢いを示すと考えて良いでしょう。

値が高くても甲状腺機能が正常ならば心配いりません。

≪サイログロブリンTg≫

甲状腺に腫瘍が存在するときに上昇しますが、良性でも悪性でも高値になります。

甲状腺を全摘している方でこの値が高いときは再発の疑いがあります。

TSHの値により値が変動しますので、多少の変動では気にする必要はありません。


≪抗TPO抗体≫

慢性甲状腺炎(橋本病)やバセドウ病で高値となる場合があります。

≪抗Tg抗体≫

慢性甲状腺炎(橋本病)やバセドウ病で高値となる場合があります。

≪カルシトニン≫

主に甲状腺で産生されるホルモンの1つです。

甲状腺髄様癌などの腫瘍マーカーとして測定されます。

≪I – PTH≫

副甲状腺ホルモン。

血中のカルシウム濃度を調整するホルモンです。

細かな内容まで把握することは難しいですが、検査でどのような値を見ているか

分っておくと、不安が少し軽減されるでしょう。

まとめ

甲状腺の病気と聞くと、なんだか重い病気と感じますよね。

しかし、甲状腺疾患はきちんとコントロールすれば怖いものではありません。

大切なのは、甲状腺への知識を持つことと、自分の健康への関心を高めることです。

日常的に自分の体をチェックして、健康状態を把握しましょう。

なんだかおかしいな、と思い当たる節があれば、早めに受診し検査を受けて

みてくださいね。