足の甲は普段あまり意識することのない場所かもしれませんが、歩くなどの
動作をするうえで非常に大切な役割を果たしています。
最近なんだか足の甲が痛い。
見た目は何ともないけれど、足の甲が痛い。
このような症状がみられるとき、考えられる原因にはどのようなものが
あるのか紹介していきたいと思います。
いたい部分や思い当たる行為がないかチェックしてみてください。
足の甲が痛いと感じたら!まずはその原因をチェック


足はさまざまなダメージを受けやすく、血液がうっ滞しやすい部位で
あるため、痛みを引き起こしやすい部位なんです。
特に皮下組織の少ない足の甲は腫れが目立ちやすく、なかには腫れが
強くなって足首の関節運動が妨げられるケースも少なくありません。
足の甲の腫れを引き起こす原因はいろいろあります。症状によっては
見た目は変わらなくても痛みがある場合も。
では、考えられる原因を一つづつ紹介していきます。
足の甲が腫れている場合、足の骨や筋肉など骨格に関連する病気や外傷
によって引き起こされることがあります。
原因となる主な病気や外傷は以下の通りです。
≪中足骨骨折、疲労骨折≫
足の甲を形成する5本の中足骨は比較的細く脆弱(ぜいじゃく)な構造のため、
足を強く捻ったり、重いものが落下することで骨折しやすい骨です。
また、一度に強い衝撃が加わらない場合でも、足を酷使することで
疲労骨折を起こすこともあります。
通常は強い痛みのため歩行が困難となり、足の甲が腫れて熱感や発赤を
伴います。
また、腫れが強い場合には、足首付近まで腫れ上がって足関節運動が
制限されることもあります。
≪前脛骨筋(ぜんけいこつきん)や長趾伸筋(ちょうししんきん)の炎症≫
足の甲には、脛(すね)から趾(あし)をつなぐ筋肉が走行しており、
過度なトレーニングや転倒などによって、これらの筋肉にダメージが加わると
炎症を引き起こすことがあります。
≪腱損傷、靭帯(じんたい)損傷≫
足の甲には、脛の筋肉の力が趾にまで効率よく伝わるように多くの腱が
走行しており、足関節には多くの骨が存在しています。
そのため、骨同士をつなぐ靭帯が存在しています。
これらの腱や靭帯は、転倒などによる衝撃や過度なトレーニングなどによって
繰り返しダメージが加わることで組織が傷つき、炎症を引き起こすことがあります。
≪足関節捻挫≫
転倒や無理な体勢をとって足首を捻ることで、足関節を構成する骨同士を
つなぐ後距腓靭帯(こうきょひじんたい)や前距腓靭帯(ぜんきょひじんたい)、
距腓靭帯(きょひじんたい)と呼ばれる強固な靭帯に損傷を生じる外傷です。
≪蜂窩織炎(ほうかしきえん)≫
足の甲はさまざまな外力がかかるため小傷が形成されやすく、その部位から
細菌感染などを引き起こして皮下組織に炎症を引き起こす蜂窩織炎を
発症しやすい部位です。
特に糖尿病など免疫力が低下しやすく、末梢神経障害による感覚低下を
生じるような病気がある場合には重症化することがあります。
足の甲の腫れは、足以外の部位に生じる病気が原因のことがあります。
原因となる主な病気は以下の通りです。
≪浮腫(ふしゅ)(むくみ)≫
腎不全や低栄養、肝硬変、更年期による女性ホルモンの減少などによる
体液量の増加や心不全による循環不全によって血流停滞が生じると、
足の甲や手などの末梢部位に水が溜まって浮腫を引き起こすことがあります。
通常、痛みなどは伴わず、腫()れた部位を指で押すとへこんで元に戻り
にくくなることが特徴です。
進行すると末梢部だけでなく、顔や体幹にもむくみを生じ、肺に水が
漏出(ろうしゅつ)することで呼吸苦を引き起こすことも少なくありません。
≪甲状腺機能低下症≫
自己免疫の異常による炎症や感染、腫瘍などによって甲状腺の機能が低下し、
全身の新陳代謝を促す甲状腺ホルモンの分泌量が低下する病気です。
女性に多く発症し、倦怠感()や活動性の低下、抑うつ気分などの精神的な
症状や、肥満、浮腫、脱毛、便秘などの身体症状を引き起こします。
≪深部静脈血栓症(しんぶじょうみゃくけっせんしょう)≫
長時間同じ姿勢を続けることや水分不足などによって、ふくらはぎの
深部を走行する静脈に血栓が形成される病気です。
血栓は、肺に流入して肺塞栓(はいそくせん)などの非常に重い
合併症を引き起こすことがあります。
≪痛風≫
血中の尿酸値が上昇する病気です。重症化すると第一趾(し)の付け根や
踝(くるぶし)などに尿酸結晶が沈着して炎症を引き起こし、激烈な痛みと
患部の腫れ、熱感を伴うことが特徴です。
痛みは発作性に生じ、歩行困難になることもあります。
他にも、日常生活に問題があって、足の甲に痛みが発生している場合もあります。
≪ハイアーチ(凹足(おうそく))≫
足の甲が高い状態をハイアーチまたは凹足といいます。
ヒールが高い、靴が小さいなど足に合わない靴を履いているとなりがちです。
≪冷え・血行不良≫
冷えや運動不足は、血行不良を引き起こします。血行不良によって
足の甲の痛みが引き起こされることもあります。
冷え・血行不良を防ぐには、簡単な足指ストレッチをして血行を促進しましょう。
まず、足の爪の生え際を優しく押す、指をマッサージする、指を握ったり
開いたりするなどの方法があります。
足の甲が痛いと感じる場所は?

足の甲の痛みの原因となる事柄はいくつかありました。
痛みの原因となる病気や怪我が起こった時に、足の甲の特にどの部分が
痛むのかをまとめました。
ご自身の痛みを感じる部位を確認しながら参考にしてみてください。
≪中足骨骨折、疲労骨折≫
足の甲が腫れて熱感や発赤を伴います。
また、腫れが強い場合には、足首付近まで腫れ上がって足関節運動が
制限されることもあります。
≪前脛骨筋(ぜんけいこつきん)や長趾伸筋(ちょうししんきん)の炎症≫
炎症を起こした部位の痛みや腫れ、熱感などを生じます。
≪腱損傷、靭帯(じんたい)損傷≫
足の甲に腫れや発赤を引き起こすだけでなく、趾を動かすと増強する
痛みを生じます。
≪足関節捻挫≫
足首に非常に強い痛みを引き起こし、発赤や熱感、皮下出血を生じ、
足首から足の甲までが腫れることが特徴です。
また、靭帯の過伸展が生じた場合には、足関節がぐらぐらと不安定になる
ことも少なくありません。
≪蜂窩織炎(ほうかしきえん)≫
足の甲からふくらはぎにかけて強く腫れ上がり、熱感や痛みを伴います。
また、高熱や倦怠感(けんたいかん)などの全身症状を引き起こすことも
少なくありません。
≪甲状腺機能低下症≫
足の甲の浮腫がひどくなることもあり、非常に重症な場合には皮下に
ムコ多糖類が蓄積する粘液水腫が形成されることがあります。
≪深部静脈血栓症(しんぶじょうみゃくけっせんしょう)≫
発症初期には足のしびれやだるさが自覚され、徐々にふくらはぎから足首、
足の甲にかけて痛みを伴う腫れが引き起こされることが特徴です。
≪痛風≫
激烈な痛みと患部の腫れ、熱感を伴うことが特徴です。痛みは発作性に生じ、
歩行困難になることもあります。
また、炎症が強くなると足の甲が全体的に赤く腫れ上がることがあります。
以上が傷みの部位ですが、チェックはできますが、断定はできません。
痛みや腫れなどが強いときは、病院を受診しましょう。
まとめ

足の甲は普段あまり意識することのない場所かもしれません。
しかし、歩く動作を行ううえで、非常に大切な役割を果たしています。
足の甲の痛みを感じたら、まずは痛みの部位を確認しましょう。
そして日常生活で何が原因が振り返ってみてください。
痛みは後回しせずに、早めの病院受診をおすすめします。